「まだ子犬なのに、しつけをするのはかわいそう」
「もっと自由にさせてあげたほうがいいんじゃない?」
そんなふうに思う方もいるかもしれません。
私も、しつけという言葉には最初、どこか「犬を人間の言うことに従わせる」というイメージを持っていました。
でも、あられと暮らしていく中で、考え方が少しずつ変わりました。
しつけや社会化は、犬を厳しくコントロールするためではなく、犬自身を守り、人と一緒に安心して暮らしていくために必要なもの。
今はそう考えています。
この記事では、私があられと暮らして感じた、子犬のしつけや社会化が大切だと思う理由についてお話しします。
しつけをしないほうが「かわいそう」なこともある
しつけというと、
「おすわりをさせる」
「飼い主の言うことを聞かせる」
というイメージがあるかもしれません。
でも、しつけの目的はそれだけではありません。
例えば、お散歩中の拾い食い。
道には食べ物だけでなく、犬が口にすると危険なものも落ちています。
何でも自由に口にしてしまえば、誤飲や中毒などにつながる可能性があります。
玄関から勢いよく飛び出してしまえば、車や自転車との事故につながるかもしれません。
そんなとき、「待て」や「離して」など、普段から教えている合図が愛犬を守ることにつながります。
しつけは、人間のためだけではなく、犬自身の安全を守るためでもある。
そう考えると、何も教えずに自由にさせておくことが、必ずしも犬にとって優しいとは限らないのだと思います。
社会化は「誰とでも仲良くすること」ではない
しつけと一緒に、子犬の頃から大切にしたいのが社会化です。
犬は私たち人間の社会の中で暮らしています。
お散歩へ行けば、人やほかの犬とすれ違います。
車や自転車が横を通ったり、子どもの声が聞こえたり、突然大きな音がしたりすることもあります。
そうしたものを知らないまま成長すると、初めて見るものを怖がったり、不安から吠えたりすることもあります。
だからこそ、子犬の頃から無理のない範囲で、いろいろなものを経験してもらうことが大切です。
ただ、私は**「社会化=たくさんの犬や人と仲良くさせること」ではない**と思っています。
人が苦手な子もいれば、ほかの犬との距離が必要な子もいます。
大切なのは無理に触れ合わせることではなく、
「いろいろな人や犬、音や場所があっても大丈夫」
と思える経験を少しずつ増やしてあげること。
そのために、散歩デビュー前の抱っこ散歩なども役立つと思います。
災害が起きたときのためにも練習しておきたい
しつけや社会化について考えるとき、忘れたくないのが災害時のことです。
地震や台風、大雨などで、いつ避難が必要になるか分かりません。
避難するときには、普段とはまったく違う環境で過ごす可能性があります。
クレートに入って移動したり、知らない人や動物がいる場所で待ったりしなければならないこともあるでしょう。
そんなときに、
「ハウス」の合図でクレートに入れる。
飼い主のそばで待つことができる。
知らない場所でも少しずつ落ち着ける。
普段からこうした練習をしておくことは、もしものときの備えにもなります。
避難所によってペットの受け入れ方法やルールは異なりますが、愛犬がクレートなどで過ごすことに慣れているだけでも、環境の変化による負担を少し減らせるかもしれません。
トイレトレーニングは衛生面でも大切
トイレトレーニングも、人と犬が一緒に暮らすために大切なしつけのひとつです。
家の中の決まった場所で排泄できれば、室内を清潔に保ちやすくなります。
そして、トイレトレーニングが役立つのは家の中だけではありません。
愛犬と一緒に旅行をしたり、犬同伴OKのお店や施設へ行ったりするときにも、排泄のタイミングや場所をある程度コントロールできることは助けになります。
もちろん、子犬のうちは失敗して当たり前。
あられも4か月頃までは失敗ばかりで、私もかなり悩みました。
叱って覚えさせるのではなく、成功しやすい環境を人間が作って、「ここでするんだよ」と少しずつ教えてあげる。
私はそれがトイレトレーニングだと思っています。
しつけができると愛犬と楽しめることが増える
私がしつけを大切だと思う理由は、危険を防ぐためだけではありません。
愛犬と一緒にできることを増やすためでもあります。
犬と暮らしたら、一緒にいろいろなところへ行ってみたいですよね。
お散歩だけでなく、ドッグカフェへ行ったり、イベントへ遊びに行ったり、旅行をしたり。
でも、人やほかの犬を見るたびに興奮して吠えてしまったり、お店に行くたびに粗相をしてしまったりすると、犬も飼い主も疲れてしまいます。
「連れて行くのが大変だから、今日は家に置いていこう」
そんなことが増えてしまったら、少し寂しいですよね。
もちろん、すべての犬がおでかけ好きになる必要はありません。
家でのんびり過ごすことが好きな子もいます。
それでも、基本的なしつけや社会化ができていることで、その子が楽しめる場所へ一緒に行くという選択肢を増やすことができます。
私はあられといろいろな場所へ出かけるようになって、そのことを強く感じるようになりました。
「困った行動」には犬なりの理由がある
吠える。
噛む。
粗相をする。
人間から見ると、つい「困った行動」と考えてしまいます。
でも、犬自身も飼い主を困らせようとしているわけではありません。
怖かったり、不安だったり、興奮していたり、どう行動すればいいのか分からなかったり。
その結果として、私たちにとって困る行動が出ていることもあります。
だから私は、
「ダメ!」と叱るだけではなく、「じゃあ、どうしてほしいのか」を教えてあげること
が大切だと思っています。
例えば、キッチンに入ってほしくないなら「入っちゃダメ!」と繰り返すのではなく、入り口で「おすわり」「ステイ」を教える。
「ここで待っていればいいんだ」
と、犬にも分かる方法で正解を伝えてあげます。
これは、あられとのしつけの中で私がとても大切にしている考え方です。
しつけを通して信頼関係も少しずつ築いていく
しつけをしていると、犬に何かを教えているようで、実は飼い主も愛犬のことをたくさん学んでいます。
「これはすぐに覚えられるんだ」
「これはちょっと苦手みたい」
「今日は集中できないな」
毎日一緒に練習していると、その子の性格や得意・不得意が少しずつ見えてきます。
そして、
できたら褒める。
怖がっていたら無理をしない。
できなければ、別の方法を考えてみる。
そんなやり取りを繰り返すことで、犬にとって飼い主が**「安心して頼れる存在」**になっていくのだと思います。
しつけは、一方的に犬を従わせるものではありません。
人と犬がお互いのことを知り、一緒に暮らしていくためのコミュニケーション。
私はそんなふうに考えています。
まとめ|しつけは愛犬を縛るためのものではない
「子犬にしつけをするのはかわいそう」
そう感じる方もいると思います。
でも、私はあられと暮らすようになって、しつけに対する考え方が変わりました。
拾い食いや飛び出しなどの事故を防ぐ。
人やほかの犬、さまざまな環境に少しずつ慣れてもらう。
トイレを覚えて衛生的に暮らす。
災害など、もしものときに備える。
そして、愛犬と一緒にいろいろな場所へ出かけ、たくさんの経験をする。
そのために必要なのが、しつけや社会化なのだと思います。
もちろん、「何日までにできるようにする」と焦る必要はありません。
子犬にもそれぞれ性格があり、得意なことも苦手なことも違います。
できないことを叱るのではなく、どうしたらできるのかを一緒に考える。
あられとのしつけも、ずっとその繰り返しです。
しつけは、愛犬の自由を奪うためのものではなく、
愛犬が人間の社会で安心して暮らし、飼い主と一緒に楽しめることを増やすためのもの。
私はこれからも、あられのペースに合わせながら、一緒にできることを少しずつ増やしていきたいと思っています。
