子犬を迎えたら、トイレやハウスなどと一緒に少しずつ始めたいのが、社会化トレーニングです。

「社会化って何をすればいいの?」

「まだワクチンが終わっていないのに、外に出てもいいの?」

初めて子犬を迎えると、分からないことも多いですよね。

社会化というと少し難しく聞こえますが、私はこれから一緒に暮らしていく人間の社会を、子犬に少しずつ知ってもらうことだと考えています。

今回は、お散歩デビュー前からできる「抱っこ散歩」を中心に、子犬の社会化についてご紹介します。

※この記事は、私があられとの暮らしや勉強を通して学んだことをもとに書いています。子犬の性格やワクチン接種の状況によっても異なるため、外出を始める時期については獣医師に相談してください。

そもそも「子犬の社会化」ってなに?

ひと昔前は、犬を番犬として飼う家庭も多くありました。

知らない人が家に近づいてきたら吠える。

物音がしたら警戒する。

番犬として暮らしていた犬にとっては、知らない人や物音に反応することも役割のひとつでした。

でも今は、犬を番犬としてではなく、家族の一員として迎える家庭が多くなっています。

一緒にお散歩をしたり、旅行へ行ったり、ドッグカフェへ行ったり。

動物病院やトリミングサロンなど、家族以外の人と関わる機会もあります。

そんな人間社会の中で犬が暮らしていくためには、

「これは怖くないよ」
「こんな音もあるよ」
「いろいろな人がいるよ」

ということを、少しずつ経験してもらうことが大切です。

それが、子犬の社会化トレーニングです。

子犬の「社会化黄金期」はとても大切な時期

社会化黄金期とは?

子犬の社会化には、**「社会化黄金期」**と呼ばれる、とても大切な時期があります。

一般的に、**生後3週〜14週頃(だいたい生後3か月頃まで)**は、さまざまな人や音、環境などを受け入れやすい時期といわれています。

この頃の子犬は、新しいものに対する警戒心よりも、

「これなんだろう?」

という好奇心が強い時期。

だからこそ、この時期に、

「いろいろな人がいる」

「車やバイクはこんな音がする」

「外にはいろいろな景色や匂いがある」

など、人間の社会にあるさまざまなものを少しずつ経験してもらうことが大切です。

社会化黄金期の経験は、その後の犬の生活に大きくかかわる

子犬の頃にどのような経験をするかは、その後の犬の生活にも大きくかかわるといわれています。

もちろん、社会化黄金期を過ぎたら、もう社会化ができないというわけではありません。

それでも、警戒心より好奇心が強く、新しいものを受け入れやすいこの時期は、いろいろな経験をしてもらう大切なチャンスです。

もし、ちょうどこの時期の子犬をお迎えしたばかりなら、ぜひこのチャンスを大切にしてほしいと思います。

ただし、

「黄金期だから、今のうちにたくさん経験させなきゃ!」

と焦る必要はありません。

怖がっている子犬に無理をさせてしまうと、「怖かった」という経験になってしまうこともあります。 社会化は、たくさんの刺激を一気に与えることではなく、その子が無理なく「大丈夫」と思える経験を増やしていくことが大切です。

散歩デビュー前の社会化には「抱っこ散歩」がおすすめ

社会化黄金期はまだお散歩できないことも

子犬の社会化で少し難しいのが、社会化黄金期とワクチン接種の時期が重なることです。

子犬を迎えたばかりの頃は、まだ必要なワクチン接種が完了しておらず、自由に地面を歩くお散歩を始められないことがあります。

せっかく社会化に大切な時期なのに、

「まだお散歩できないから、外の世界を経験させてあげられない……」

と思ってしまいますよね。

でも、

「お散歩できない=外の世界を経験できない」

というわけではありません。

そこで、お散歩デビュー前の社会化として取り入れたいのが**「抱っこ散歩」**です。

抱っこ散歩とは?

抱っこ散歩とは、子犬を地面に下ろさず、抱っこしたり、キャリーバッグやペットカートに乗せたりして外の世界を経験してもらうことです。

普通のお散歩のように、たくさん歩いたり運動したりすることが目的ではありません。

目的は、

「外にはこんな世界があるんだ」

と子犬に知ってもらうこと。

外に出れば、車やバイクの音、人の話し声、子どもの声、風、さまざまな匂いなど、家の中にはない刺激がたくさんあります。

私たちにとっては何でもない日常の風景でも、子犬にとっては初めて出会うものばかりです。

ずっと抱っこして歩くのが大変なら、キャリーバッグやペットカートを使ってもOK。

地面を歩けない時期でも、外の世界を少しずつ経験してもらうことができます。

抱っこ散歩でいろいろな経験をしてみよう

抱っこ散歩を始めたら、子犬に少しずつ外の世界を経験してもらいましょう。

といっても、特別な場所へ連れていったり、一度にたくさんの経験をさせたりする必要はありません。

大切なのは、その子のペースに合わせて「大丈夫だった」という経験を少しずつ増やしていくことです。

家の周りだけでも初めてのものがいっぱい

まずは、家の周りを少し歩くだけでも十分です。

外に出てみると、

  • 車やバイクの音
  • 自転車
  • 子どもの声
  • 帽子や傘を持った人
  • 電車の音
  • 鳥
  • 風で揺れる木
  • ほかの犬

など、子犬にとって初めてのものがたくさんあります。

「今日は車を見たね」

「今日は子どもの声を聞いたね」

最初はそれくらいからで十分だと思います。

いろいろな場所へ連れていくことよりも、普段の生活の中で出会うものを少しずつ経験してもらうことから始めてみましょう。

人に慣れることも大切な社会化

社会化というと、

「ほかの犬と仲良く遊べるようにすること」

をイメージする方もいるかもしれません。

でも、犬同士の交流だけが社会化ではありません。

これから人間と一緒に暮らしていく中では、さまざまな人と出会います。

男性や女性、子ども、高齢の方。

帽子をかぶっている人や、大きな荷物を持っている人など、見た目や動きもさまざまです。

さらに、動物病院では獣医師やスタッフさん、トリミングサロンではトリマーさんなど、家族以外の人に触れてもらう機会もあります。

子犬の頃からいろいろな人の姿や声を、無理のない範囲で経験しておくことも大切な社会化のひとつです。

「知らない人がいても大丈夫」

という経験を少しずつ増やしてあげましょう。

抱っこ散歩はお散歩デビューの準備にもなる

ワクチン接種を終えたら、いよいよお散歩デビュー。

でも、子犬にとって外の世界は知らないことだらけです。

初めて歩く地面、近くを通る車、大きな音、すれ違う人や犬。

私たちにとってはいつもの道でも、子犬にとっては初めて経験するものばかりです。

そのため、怖くて一歩も動けなくなってしまう子もいます。

お散歩デビュー前に抱っこ散歩をしておけば、外の景色や音、匂いなどを少しずつ経験できます。

「これ、前にも見たことがある」

というものを増やしてあげることで、抱っこ散歩は社会化だけでなく、これから始まるお散歩の準備にもなると思います。

「たくさん」よりも「怖くなかった」を増やそう

社会化黄金期と聞くと、

「今のうちにたくさん経験させなきゃ!」

と焦ってしまうかもしれません。

でも、子犬にもそれぞれ性格があります。

好奇心いっぱいの子もいれば、慎重に様子を見る子もいます。

怖がっているときは無理に近づけず、少し距離を取る。落ち着かないようなら、その日は帰っても大丈夫です。

大切なのは経験の「数」ではなく、

「初めてだったけど、怖くなかった」

という経験を積み重ねること。

愛犬の様子をよく見ながら、その子のペースで**「大丈夫」をひとつずつ増やしていくこと**が、社会化トレーニングでは大切だと思います。

抱っこ散歩ではペットショップに行くのもおすすめ

抱っこ散歩で「どこへ行ったらいいんだろう?」と迷ったら、私は近所のペットショップに行ってみるのもおすすめです。

ペットショップには犬や動物が好きな人が多く、スタッフさんだけでなく、買い物に来ている飼い主さんとお話しするきっかけができることもあります。

特に、生後間もない子犬を連れていると、

「何か月ですか?」

「かわいいですね!」

と声をかけてもらえることも。

子犬にとっても、家族以外のいろいろな人の姿や声を経験できるので、人に慣れる社会化のひとつになると思います。

もちろん、いきなり知らない人に触ってもらう必要はありません。

子犬が緊張しているようなら、まずは抱っこされたまま人を見たり、声を聞いたりするだけでも十分です。

そして、できれば近所に行きつけのペットショップを作っておくのもおすすめです。

フードやおやつ、犬用品について相談したり、

「みんなどんなものを使っているんだろう?」

と飼い主さん同士で情報交換ができたり。

これから犬と暮らしていく中で、ちょっとしたことを相談したり情報をもらえたりする場所が近くにあると心強いです。

あられとの暮らしを始めてから私も感じましたが、犬を連れていると、それまで話したことのなかった人と自然に会話が生まれることがあります。

子犬の社会化だけでなく、飼い主さんにとっても犬との暮らしの情報を広げるきっかけになる。

そんな意味でも、抱っこ散歩で近所のペットショップへ行ってみるのはおすすめです。

抱っこ散歩では飛び出しにも注意

抱っこ散歩では、子犬の飛び出しにも注意が必要です。

外には車やバイクの音、人の声など、子犬がびっくりするものがたくさんあります。

突然の大きな音に驚いて、抱っこしている腕から飛び出そうとすることもあるかもしれません。

そのため、抱っこで外に出るときも、ハーネスやリードを着けるなど、万が一に備えて飛び出し対策をしておくと安心です。

キャリーバッグやペットカートを使う場合は、備え付けの飛び出し防止リードなどを正しく使用しましょう。

「抱っこしているから大丈夫」と思わず、子犬が突然びっくりすることも想定して、安全に外の世界を経験できるように準備してあげることが大切です。

まとめ

社会化黄金期に「大丈夫」の経験を増やしてあげよう

子犬の社会化黄金期は、外の世界を知るための大切な時期です。

まだ普通のお散歩ができない時期でも、抱っこ散歩なら外の音や人、景色などを少しずつ経験することができます。

でも、「今のうちにたくさん経験させなきゃ」と焦る必要はありません。

大切なのは、経験の数よりも、

「初めてだったけど大丈夫だった」

という経験を積み重ねてあげること。

社会化は、これから一緒に暮らしていく人間の世界を、愛犬と一緒に少しずつ知っていく時間だと思います。

その子のペースを大切にしながら、「大丈夫」をひとつずつ増やしていきましょう。

抱っこ散歩やちょっとしたおでかけにおすすめ!
子犬を安全に連れて歩きやすく、散歩デビュー前の社会化にも便利なキャリーバッグ。動物病院への移動など、これからの愛犬との暮らしでも活躍するアイテムです。
抱っこ散歩にもおすすめ!
抱っこが大変なときでも、愛犬と一緒に外の世界を楽しめます。散歩デビュー前から、その後のおでかけまで長く使える便利アイテムです。